実家を貸す ── 賃貸に出す前に確かめること、費用と管理の考え方
更新日:2026-09-13
相談先を種類から探す
貸すのが合う実家
貸すという選び方は、立地と建物の状態がよいときに現実味があります。次のような場合に検討する価値があります。
- 駅や生活施設が近く、周辺で賃貸の需要がある
- 築年数が比較的新しい、または大きな修繕をせずに住める状態
- 将来、自分や子どもが住む可能性を残しておきたい
- 手放す決心がつかず、家賃で維持費をまかないながら時間をかけて考えたい
逆に、建物が古く修繕に大きな費用がかかる、周辺に空き家や空室が多い、駐車場がなく交通の便が悪い、といった場合は、家賃で費用を回収できないことがあります。その場合は売るか解体して土地にするを先に検討してください。
進め方
- 相続登記を済ませる。 貸す場合も、亡くなった方の名義のままにはできません。相続登記は2024年4月から義務になっています。
- 家財を片付ける。 賃貸では家の中を空にして引き渡すのが基本です。遺品整理や不用品回収の業者に頼めば、遠方からでも進められます。
- 修繕と設備の確認をする。 水回り、給湯器、雨漏り、シロアリ、電気設備は入居前に直しておく必要があります。古い家では、直す範囲によって費用が大きく変わるので、貸した場合の家賃と見比べて判断します。
- 管理の方法を決める。 遠方に住んでいる場合は、入居者の募集、家賃の回収、設備の故障対応を管理会社に任せるのが一般的です。
- 契約の形を決めて募集する。 期間を決めずに貸す普通借家契約と、期間を決めて貸す定期借家契約があります。将来売ったり自分で使ったりする可能性があるなら、期間の終わりが決まっている定期借家のほうが後で困りません。
- 家賃収入は毎年申告する。 家賃から経費を引いた残りが不動産所得になり、確定申告が要ります。
費用と収入の考え方
- 入居前の費用。 片付け、修繕、設備の入れ替え、ハウスクリーニング。古い家では数十万円から数百万円になることがあります。
- 貸している間の費用。 固定資産税と都市計画税、火災保険料、管理会社への管理料(家賃の5%前後が一般的)、設備の修理費。入居者が退去したあとの原状回復と、次の入居者が決まるまでの空室期間も見込んでおきます。
- 収入。 家賃から上の費用を引いた残りが手元に残る額です。「家賃が入るから持てる」ではなく、修繕と空室を含めて何年で入居前の費用を回収できるかで判断します。
注意点
- 入居者がいる家は売りにくくなります。 貸したままでは買主が限られ、価格も下がりがちです。売る可能性があるなら、契約の期間をどうするかを先に決めてください。
- 相続した空き家の特例が使えなくなります。 相続した空き家を売るときに譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例は、相続後に人に貸すと対象から外れます。数年内に売る可能性があるなら、貸す前に税理士に相談してください。
- 家賃保証(サブリース)は条件をよく確認してください。 保証される家賃が途中で見直されることや、契約を解除しにくいことがあります。
- 古い家の耐震。 昭和56年5月以前に建てられた家は、入居者の安全のためにも耐震の確認をしておくと安心です。
相談のときに伝えていただきたいこと
- 実家の場所(都道府県・市区町村)と、最寄り駅からの距離
- 種別と築年数、間取り、駐車場の有無
- 名義の状況(相続登記が済んでいるか)
- 今の状態(空き家になってからの期間、家財の有無、直したい箇所)
- 貸す期間の希望(ずっと貸したいのか、数年後に売る・使う可能性があるのか)
よくある質問
家賃はどのくらいで貸せますか
周辺の賃貸の相場と、建物の状態や設備で決まります。ご相談いただければ、提携する事業者が周辺の事例をもとに考え方をご説明します。
修繕にお金をかけるべきか迷っています
かけた費用を家賃で何年で回収できるかで判断します。回収に10年以上かかるようなら、売るか解体するほうが負担が少ないことが多いです。
遠方に住んでいても貸せますか
貸せます。募集から家賃の回収、故障の対応までを管理会社に任せる形が一般的で、現地に行く回数はかなり減らせます。
貸したあとで売ることはできますか
できますが、入居者がいる状態では買主が限られます。定期借家契約にしておくと、期間の終わりに合わせて売りやすくなります。
迷っている方へ
貸すかどうかは、立地と建物の状態で答えが変わります。売る、解体して土地にする、そのまま持つも見比べたうえで、ご相談ください。実家の状況に合わせて一緒に整理します。